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LittleWing130000HIT&田村ゆかり様「AIR」出演決定記念寄稿
『ちるちるメイ様』 エピローグ
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夏の終わり………
ここは、あの廃線となった駅舎の広場。
みちると、初めて出会った場所。
いろんな思い出が詰まった、とっても大切な場所。

その場所で、メイはシャボン玉を吹きながら、人を待っていた。
その人は、メイにとって、とても大切な人だ。
だから、逢って今日こそは、ずっと願っていたことを、かなえたいと思っていた。

メイは、その人に逢うため、メイの父親に、逢わせてもらえるよう頼んだ。
頼まれた父親は、その人に手紙を出してくれた。
それから数日後、返事が届いた。
自分も逢いたい………
それが返事だった。

ドキドキしながら、その人を待つ。
ちゃんと、ともだちになれるだろうか?
そんなことを思うと、つい、緊張してしまう。

でも……… みちるはメイに言ってくれた。
ちょっとした勇気と、素直な気持ちがあれば、ともだちになれるって………
だから今日は、飾らない自分のままで、その人とともだちになろうと思った。

「ふぅ………」
ぱちんっ
「わぷっ」

メイは、相変わらずシャボン玉が、上手く飛ばせなかった。
それでも、いつかは、たくさんのシャボン玉が飛ばせるようになりたいから
こうして練習し続けている。

すると………

「こんにちわ」

あの人が来た!!
ドキドキしながらも、努めて冷静に……… そう、自然な感じで答えなければ…

「んに?」
ああ… ちょっと戸惑った感じになってしまった… と、メイは自己嫌悪に陥る。
でも、あの人は微笑んでくれた。
そして「シャボン玉、好き?」と尋ねてきた。

ここで、みちるの言葉が思い浮かんだ。
だから……… 素直な気持ちで、この人に接しようと思う。
ともだちになりたい人に……… 自分を偽る必要なんて、ないのだからと。

「うんっ!大好きっ!
 でもねでもね、うまくふくらまないの」

「そう…」
そういって、その人は、メイの頭を撫でて「じゃあ、お姉ちゃんが、教えてあげようか?」と
用意してきたのであろう、シャボン玉セットを取り出した。

「ほんとっ?」
「うん」

そして、一緒にしゃぼん玉遊びを始める。
その人は、シャボン玉がとても上手で、ストローからは、いくつもいくつも飛び立っていった。

「にょわ〜 すご〜い…」

メイの感嘆の声に、その人は「大丈夫。すぐに飛ばせるようになるからね」と言って、それから
丁寧に、ふくらましかたのコツを教えた。

しかし………

ぱちんっ。
「わぷぷっ」
うまくいかない。

「んにゅぅ〜〜〜
 んに!もういっかい!」

メイは、めげずに、シャボン玉をやり続けた。
そんなメイを、その人は、嬉しそうに見つめていた。

「やったー!せいこー!」
ついにシャボン玉が飛び出したことに、メイは思わず喜びの声を上げる。

すると、その人は、満面の笑顔で
「じゃあ、これはがんばったで賞」
そう言って、メイに、小さな小瓶を手渡してくれた。

「んに?なにこれ?」
「これはね、星の砂っていうの」
「んに?ほし?」
「そう。きらきらの星。形が似てて、星の赤ちゃんみたいでしょう」
「おぉ〜、そういえばそうだねぇ…」
「受け取ってくれる?」

微笑みを絶やさず、その人が、メイに聞いてきた。
メイは、星の砂の入った小瓶を、しげしげと見つめる。
すると… 不思議な想いが小瓶から伝わってきた。
なにか、とても暖かな……… そんな想いが伝わってくる。

「うんっ!ありがとうっ!」
これを、メイの宝物にしよう。そう思った。

☆☆☆

「ねえ、あなたのお名前、おしえてもらえないかな?」

その人が、メイの名前を聞いてきた。

「んに?なまえ?」
「うん」

笑顔で、メイの名前を尋ねてくる。
一瞬、自分の本当の名前を言ってしまっても良いのだろうかと思い、躊躇してしまう。
しかし「素直に」という、みちるの言葉を思い出すと、その迷いも消える。

「にゃはは、いいよー」

だから、メイは素直に答えた。
メイの本当の名前を。

すると、その人は、目を閉じて、とても嬉しそうに
「そう… とてもステキなお名前ね」
と、名前を誉めてくれた。

こんなに、簡単なことだったのだ。
素直になるってことは。
ちょっとした勇気。
メイには、これだけあれば良かったのだ。

「でしょ? にゃはは、このなまえ大好きなんだよっ
 おとうさんがね、つけてくれたんだってっ」
「……………」
「ねえねえ、おねえちゃんのおなまえは?」

今度は、メイが聞く番だ。
もちろん、メイは、その人の名前を知っている。
でも、どうしても、その人から、この名前を聞きたかったのだ。

「私?」
「うんっ」
「…私は …私は、美凪よ」

その人は、美凪。
メイの、大切なおねえちゃん。
メイの、大切な人。

美凪は、メイに、続けてこう言ってくれた。
その言葉は、メイが、ずっと願っていたこと。
メイが、かなえたいと願っていた夢。

夢は、現実になった。
だから……… もう、この夢から覚めよう。
伊集院メイという、夢から覚めよう。

そして……… 自分の本当の名前で呼んでくれる、美凪… そしてみちると
いつまでも………


「さあ、みちる。お友達になりましょう」


(おわり)