キー・・・、カタン。
「ただいま〜って、言っても誰もいないか。」
ふう。それにしても、舞佳ってば、ほんとにタフだわねえ。
あのあと、また仕事に行くとは思わなかったわ。
パチン・・・、ピカッ。
でも皮肉よねえ。
「一人きりのバースデーにならなくて良かったでしょ〜ん。」
なんて、余計なお世話よ、まったく。
ポン・・・、Pi−。
「2件です。」
「もしもし、陽ノ下です。」
あら、光ちゃんから?
「華澄さん。教育実習、お疲れ様でした。
来年は是非、ひびきの高校の先生になって下さい。
絶対だよ!なんちゃって、えへへ。期待してます。
あ、それと、お誕生日おめでとうございます。
それじゃ、また、電話します。」
Pi−。
ありがとう、光ちゃん。
「もしもし・・・」
え?この声は・・・。
「華澄さん。
昨日は、見送り、遅れちゃってすみませんでした。」
ん〜、彼に電話番号、教えたっけ?
「今日、誕生日だったよね。
それで電話したんですけど、いないようなので、
留守電に残しておきます。
お誕生日おめでとうございます。
今日中に聴いてもらえたら、良いんだけど・・・。
じゃあ、また。」
うっふふふっ。ギリギリセーフ。11時50分だけどね。
パサッ・・・。
あら、今日の優勝商品の目録ね。
カサッカサッ。
わっ。車じゃない。
こんなに高価なものが、商品になるの?
ん?なになに・・・
「伊集院メイ様、御推奨の超AIカー。
万が一の故障の際も、伊集院家の誇りにかけて
すぐ修理致します。
どんなメカ音痴でも心配要らずです。」
???
まあ、わたし向きの車では、あるわね。
! そうだ。
カキ、カキ。(注、ペンで物書きしてます。)
出来た。
この車のサイドシートの優先順位は、
@舞佳、A光ちゃん、B彼
と、しておきましょうかね。
でも結局、順位は、彼次第になったりして。
な〜んてね。まあ、そんな事ある訳無いわよね。
(「華澄、幼馴染の彼と再会出来て良かったじゃない。」)
まあ、確かに舞佳の言う通り、
再会して嬉しくない事は、無かったわね。
(「悩んでたみたいだけど、
取敢えず彼との約束を果たす為にも、
ひびきの高校の先生には、なりなさいよ。」)
約束と言っても、あれは別にそんなんじゃないんだけどなあ。
(「ボクは、宇宙飛行士。かすみおねーちゃんは?」)
(「え、わたし。そうねえ、先生かなあ?」)
・・・・・・
PiPiPiPiPiPiPiPi・・・
(30分後)
いけない、いけない。あのまま、眠っちゃったんだわ。
今日は、受けなくちゃいけない講義が・・・。
あっ、あらっ?
何かしら、この紙?
ん、優先順位?
@舞佳、 A光ちゃん、 @B彼
いけない、時間がないわ。これは、また後で考える事にしましょう。
カタン・・・、カチャカチャ・・・。